【ブログ】シベリア鉄道女ひとり旅7泊8日旅行記|ロシア・ウラジオストク発
こんにちは、女ひとり旅が好きな石山はるです。
皆さんは、シベリア鉄道をご存じでしょうか?シベリア鉄道は、ロシアのモスクワからウラジオストクまで、ユーラシア大陸を横断する世界最長路線で、総距離はおよそ9,300km(地球1/4周分!)にもなります。
世界地図の多くの部分を占めているユーラシア大陸を横断できる鉄道があるなんて、しかも寝台列車なんて、素敵すぎる!
もしこの鉄道を走破したら、地球の距離感が肌感覚で分かるようになりそう!
そんなことを思った当時大学4年生の私の、2019年の1月から2月にかけて、極寒のロシアをひとり旅した記録を書いていきます。
女ひとりでシベリア鉄道7泊8日旅行記【1日目】
成田空港からウラジオストクに向けて出発
旅のはじまりは、成田空港から。
2019年当時、成田空港からロシア極東の街・ウラジオストクまでは直行便が飛んでいました。航空券の価格は、エコノミークラスで2万3,110円。
13時25分に成田空港を出発します。ほかの便に比べるとなんだか人が少ない気がする…。
飛行機は、こちらのプロペラ機!こんな小さい飛行機に乗ったことがなかったので、不安になります。
乗ってみた結果―めっちゃ揺れた!今まで乗った飛行機の中で一番揺れた!私は絶叫系の乗り物が大好きなのだけれど、それでもとても怖かったです。Gが苦手な人はもっとつらいかもと思いました。
夜のウラジオストク空港に到着
そんなこんなで小さなプロペラ機は17時20分に夜のウラジオストク空港に到着しました。ウラジオストク空港は、Vladiostock International Airport で、略して「VVO」。
私は日本で米ドルしか換金しておらず、ロシアルーブル(RUB)を持っていなかったため、まずはATM探し。
日本であらかじめ用意しておいた海外ATM対応のキャッシュカード(Sony Bank Walletを使っています)を使い、ロシアルーブルを引き出すことに成功しました。
ウラジオストク空港からウラジオストク駅に移動
ウラジオストク空港からウラジオストク駅には直通のバスがでています。「107系統」というバスで、1日に12本運行しているという情報を聞いていたのですが、探しても見当たらず…。
空港のロビーにいたお兄さんに「ウラジオストク駅行きのバスはどこですか?」と聞いたら、案内をしてもらえました。ロシアは英語があまり通じないと聞いていたけど、さすがに国際空港は英語が通じました。
ウラジオストク駅行きのバスは200ルーブルと荷物代100ルーブルで、合計300ルーブルでした。当時のレートだと、495円くらい。
ウラジオストク駅に到着
夜のウラジオストク駅は、こんな感じ。真冬だからか外に人はおらず、ひっそりとしていました。
私が日本で予約したシベリア鉄道のチケットは深夜12時51分発なので、まだ出発まで時間があります。ということで、腹ごしらえをすることにしました!
ウラジオストク駅内にあるカフェで、こちらのピラフのようなものを食べました。ロシア料理なのかなんなのか分からなかったけれど、これから8日間、電車のなかに缶詰になるのだから、フレッシュな野菜と温かいご飯を食べなければ!と思っていました。
ちなみに駅内にはコンビニのようなものがあったので、水やらカップラーメンやらを大量に調達しました。あまりに大量に買ったので、待合室にいるロシア人たちから奇異な目で見られました。
それにしても豪華な駅舎。
ウラジオストク駅から7泊8日の旅へ出発!
待合室にはこんな感じで電光掲示板があり、出発便の名前や時刻、何番線なのかなどが分かります。
シベリア鉄道の全貌が分かる図も。
時間になったので、ついに鉄道に乗り込みます。特に改札などもなかったので、人の流れに従って駅のホームにたどり着きました。
こんな感じで長ーい列車!
私は二等車のチケットを買ったのですが、なんと一番後ろの車両でした。
二等車は4人部屋のコンパートメントとなっていて、私はプライベートが確保しやすい上段のベッドを予約していました。初日は同部屋の人が誰もおらず、部屋をひとり占め。すぐ寝ました。
女ひとりでシベリア鉄道7泊8日旅行記【2日目】
朝ごはん
朝起きたら、こんな食べ物セットが乗客に配られていました。ゼリーやヨーグルト、パンまでついている!ビタミンや乳製品が不足しそうだと思っていたので、これはとても助かる!
中を見るとこんな感じで、パイやキッシュのようなものもありました。
タンパク質がありがたい。
当然、これらを全て食べてしまっては、今後の食生活に不安を残すことになるので、早く食べたほうがよさそうなものから少しだけいただきました。
シベリア鉄道の車内を探索
シベリア鉄道は、乗ってしまったらあとはモスクワにつくだけ。特にやることはありません。
だけど、食料の確保やトイレ、コンセントなど、8日間最低限生き延びるために、車両内の情報収集をします。
まずは、お湯。カップラーメンやインスタント味噌汁を持ってきたけど、お湯がなければ終わりです。シベリア鉄道にはひとつの車両にひとつは湯沸し器が設置されていると聞いていたので、やっぱりありました!
車掌さんにコップを貸してもらい、さっそく味噌汁を作ります。泣けるほどうまいこれ。
次に、コンセントを探します。コンセントは部屋の中にはありませんでしたが、廊下にありました!共用のコンセントみたいです。
こんな感じで充電できます。あ〜自分の部屋まで伸ばせる延長コードを持ってくればよかった…。
最後に、トイレ。トイレは車両と車両の間にあり、洋式便座と手洗い場がついていました。
これだけ装備がそろっていれば、一週間耐えられる気がしてきますね!
寝る、本を読む、映画を見る
車内の探索が終わったら、あとは自分の部屋や廊下で時間を過ごすだけです。
車窓は基本的に雪景色。
たまに村が見えることもあります。
女ひとりでシベリア鉄道7泊8日旅行記【3日目】
寝る、食べる、充電する、それだけ。
真冬のシベリア鉄道だからか、本当に乗客が少ないです。今日も同室に乗客が来ませんでした。
特にやることもないので、あらかじめスマホにダウンロードしておいた映画を見ます。1日に3本は映画を見ても時間が余るくらい、暇です(笑)
でも映画を見るとスマホの充電がなくなるので、コンセント競争に打ち勝ち、スマホとモバイルバッテリーの充電をマックスにするというのが1日のルーティンになってきました。
そろそろシャワーを浴びたい
そう、シベリア鉄道の二等車内にはシャワーがないのです。3日もお風呂に入らず、そろそろ頭の限界が近づいてきました。
といってもないものはない…。ということで、トイレの手洗い場で簡易的にシャワーをすることにしました。
あらかじめリンスインシャンプーを持って行ったのは大正解。シャンプーとトリートメントを分けて行う時間も余裕もないですから。
できるだけ人に迷惑をかけないように、短時間で。持っていたペットボトルに水をいれ、シャワーの代わりにしました。つらいけど気持ちいい。
こんな感じのペットボトルの先につけるシャワーヘッド(本当は植物に水やりをするための道具だけど)があれば、もう少し快適に頭を洗えただろうなと思います。
女ひとりでシベリア鉄道7泊8日旅行記【4日目】
もはや我が家
4泊目ともなると、シベリア鉄道ももはや家のように感じてきます。3日目から4日目の間に、バイカル湖を通るはずだったんだけど、見逃してしまいました。悲しい朝。
スマホの充電競争や、トイレでささっとシャワーを浴びるのにも慣れてきました。『ハリーポッターと賢者の石』の英語版の本を持ってきたのは、暇つぶしになってとてもよかったです。
同室の人も、日本人もいない
そして相変わらず同室の人がいない。ほかのコンパートメントは人の出入りが激しいけど、私の部屋だけはなぜかずっとひとり。
廊下でぼーっとしていたら、隣の部屋の中国人の方が話しかけてきました。モスクワに行くのは2回目で、働きにいくみたい。何やら部屋で絵を書いているようでした。英語力が足りな過ぎて正確に理解できなかったけど、久しぶりに人と話せて嬉しかったです。
ちなみにロシアに来てから一度も日本人に会っていないです。珍しい。
そろそろタンパク質が食べたい
インスタントラーメンと味噌汁を飲むだけの生活に飽きてきました。ビタミンと食物繊維だけは足りなくならないように、ビタミンサプリメントとプルーンを持ってきたけれど、限界に近づいてきました。
貧乏旅行だったので、車内販売にも手を出していなかったけど、ようやく買ってみたい気持ちになってきました。
毎日おばちゃんがピロシキなどを売りにコンパートメントにやって来るので、買ってみました。
サーモンとマカロニの何か。
女ひとりでシベリア鉄道7泊8日旅行記【5日目】
ついに同室の人あらわる!
初めて同室に人がやってきました!ロシア人のお母さんと6歳くらいの男の子の親子でした。
ほかの部屋にも友達か家族がいるみたいで、私の4人部屋には私を除いて5人もの人がいる状態になってしまいました。とても狭い。
いつも私はご飯を食べるとき、下のベッドをソファ代わりにしていたのだけど、子どもたちがいて座れず…。でもジェスチャーでここ座らせてと言ったら座らせてくれました。
小さい男の子たちはトランプで遊んでいてとても可愛くて、一緒に小さなコンパートメントの中ですごしているとなんだか家族の一員になったような気がしてきました。
寝すぎて腰が痛い
やることがないので寝すぎたら、腰が痛くなってきました。そもそも寝台列車は硬くて狭い上に、ずっと揺れている!これは20代のうちに経験しておいて良かったかもしれないと思いました。
しかも、車内が乾燥しすぎているので、咳が止まらなくなってしまいました。同じ車両にいるロシア人のおじさんもゲホゲホしていた。
いや、ロシア人にもきついくらい乾燥しているんかい!
まあ、寒いよりあったかくて乾燥している方がいいのかもですね。外は氷点下の世界ですし。
女ひとりでシベリア鉄道7泊8日旅行記【6日目】
同室の人、いなくなる!
明け方―。まだ暗いうちに彼らは起きだして、ご飯を食べだしました。早朝だというのに隣の人たちも集まってわいわい食べていました。
早起きすぎるだろ、と思っていたら、彼らはいなくなってしまいました。モスクワまでずっと一緒かと思っていたのに、さみしいやらほっとするやら。
少しの間騒がしいのは良かったけれど、ひとりで何日も過ごしていたコンパートメントだったので、ひとりの方が落ち着いてしまいました。
旅のお供がほしい
少しだけ日本が恋しくなってきました(はやい)。「何事も経験!」と思って決行してみたシベリア鉄道ひとり旅だけど、さすがに7泊8日同じ車内でひとりきりというのはさみしくなってきました。
そもそも大学4年生の卒業旅行だというのに、ひとりで無為に時間を過ごしているのか!?と思ったりもしました。次回は旅のお供がほしいですね。
こんな感情の揺れもひとり旅をしているとありますが、結局はひとり旅って楽しくて、もう1回行きたいってなっちゃうのですが。
女ひとりでシベリア鉄道7泊8日旅行記【7日目】
到着日を間違える
今日が到着日だと思っていました、私。今日の11時15分にはモスクワに到着すると思っていたのですが、11時になってもこの景色。
え、モスクワってこんなに田舎からいきなり現れる大都会なの??いくらなんでも首都の近郊の街には思えないんだが??と思い、チケットを確認したら、到着日は明日の11時15分。
大誤算!今日が到着日だと思っていたので、ほぼ全ての食料を食べつくしていました。さすがにあと1日ももたない―!
食堂車へ
ということで、値段は高いと聞いていましたが、せっかくなので最後の晩餐として食堂車に行くことにしました。
二等車の隣にある食堂車、誰もいない!やっぱり2月は閑散期なんですかね。
こんな感じでおばちゃんがメニューをわたしてくれました。食堂車は24時までやっているみたいで、Breakfast と Lunch と Dinner がありました。
なるほど、グラスコーラが150ルーブル。250円くらいですね。アルコールも種類がたくさんある!さすがロシア!
私はこのビールを頼みました。250ルーブルで、420円くらい。貧乏旅行にはつらいですが、それでもビールを飲みたかった!
ボルシチは300ルーブル。
トマトと卵3つを焼いた食べ物は250ルーブル。
しめて750ルーブル(約1300円)の贅沢、生き返りました。
女ひとりでシベリア鉄道7泊8日旅行記【8日目】
夜更かし人間にはありがたいシベリア鉄道
私は夜更かしで朝寝坊人間です。なので、朝起きた時の絶望がすごいんです。もうこんな時間か―!って。
でも、シベリア鉄道の場合はそんなことが起こりません!なぜかというと、時間が巻き戻るからです(笑)
東から西に進んでいるため、時差が徐々に発生していきます。なので、定期的に時計が2時間巻き戻ります。
普通なら昼間の12時だったはずなのに、2時間時計が巻き戻されているので、まだ朝の10時!ということが往々にしてあります。素晴らしい。
しかも、徐々に時間が巻き戻っていくので、「時差ボケがないヨーロッパへの旅」が実現できます!時差ボケがつらい人にはいいかもですね。
ついにモスクワに到着
やっと、やっとモスクワに到着します!あーとにかく早くシャワーを浴びたい!!
11時13分にシベリア鉄道終点の「Moskva Yaroslavskaya」駅に到着しました。地下鉄やアエロエクスプレスに乗って空港まで一直線!
赤の広場とか、モスクワの散策をしたかったけれど、シャワー欲に勝てず・・・。空港内のシャワー&ベッドルームに入室しました。
5時間ほどの休憩で1万円くらいしたけど、人生で一番気持ちいいシャワーでした。
モスクワの空港で売っていたマトリョーシカ。市内を散策できなかったので、これだけで観光気分を味わいました。
そして次なる目的地・ポーランドへ出発します。さようならロシア。ほとんど電車の中しかいなかったけど楽しかった。次は街を歩き回りたいです。スパシーバ!